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【一度死んでみた】の映画概要
広瀬すずが主演のコメディ&ヒューマンドラマ。広瀬すず演じる七瀬は堤真一演じる父親の計が大嫌い。常日頃から父親に向かって「死んでくれ!」と口にするが、父親の計は『2日間だけ死ぬ薬』を飲んで本当に死んでしまう。親子の関係性と会社の闇が交差する物語は設定としてはそそられるものがありますね。
今回の記事では、『一度死んでみた』を見た感想をネタバレ全開で語っていきます。
まずは映画情報から簡単に解説していきます。
映画概要の詳細 | |
タイトル | 一度死んでみた |
公開日 | 2020年3月20日 |
監督 | 浜崎慎治 |
キャスト |
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『一度死んでみた』のあらすじ
堤真一演じる野畑計は野畑製薬の社長という設定。で、その娘が広瀬すず演じる七瀬。七瀬は父の会社に就職するために薬学部に進学するのでした。
そんな中、計の妻であり、七瀬の母である百合子が亡くなってしまい、父と娘の関係を悪くしてしまうのでした。計は製薬会社の社長のため、仕事は多忙を極めていて、妻の百合子の死に目に会えませんでした。
そんな計の仕事人間ぶりに嫌気をさした七瀬は反抗期という事もあって、普段から「死んでしまえ!」と父の計に言い続けます。
そして父に対する嫌悪感と不満を少しでも解消するべく、デスメタルバンドである『魂ズ』を結成。
一方、野畑製薬の内部では、社長である計を陥れようとする計画が進んでいたのでした。
内通者が野畑製薬にいる
野畑製薬は『ロミオ』という若返りの薬を開発していました。完成まであと少しでした。するとちょうどそのタイミングでワトソン製薬という競合会社から合併の話が舞い込んできます。
実はワトソン製薬の社長は、嶋田久作が演じる田辺という男で、かつて同じ職場で働く計の先輩なのでした。田辺は過去に計の妻である百合子の事を愛していましたが、百合子は計を選びました。
これをきっかけに田辺は退職し、ワトソン製薬を立ち上げたのです。
そしてこのワトソン製薬は、野畑製薬が開発を進めていた若返りの薬『ロミオ』の研究データを発表。どう考えてもパクリです。
つまり、野畑製薬の内部にいる人間がワトソン製薬にロミオの研究データを横流ししていたのです。
存在感ゼロの男、松岡
吉沢亮演じる松岡は野畑製薬の社員で存在感ゼロ。映画の中でも存在感ゼロっぷりのシーンがいくつも出てきます。
そんな松岡は、秘書室勤務。
社長である計の命令で七瀬を見張る役割を与えられていました。当然反抗期真っ只中の七瀬は、松岡をウザがります。
しかし、次第に松岡の事が好きになっていくのです。これは恋愛に発展の予感!
内通者は渡部という男だった
ロミオという薬は若返りを図る薬。一方で、野畑製薬は別の新薬の開発に成功します。
その名もジュリエット。効果はまさに映画のタイトルでも分かるとおり、2日だけ死んで蘇るというものです。
野畑製薬は経営状態が良好ではなかったため、銀行の支援を受ける訳ですが、経営再建のためにやってきた小澤征悦演じる渡部は、計にある話を持ちかけます。
「計が命を落とせば内通者が動き出すはずだから、裏切り者が分かる」と。
そして2日間だけ死んでまた蘇られるジュリエットを服用するように提案するのでした。
先にネタバレしていますが、内通者はこの渡部。計をジュリエットで死んだ状態にして、すぐに火葬を行い、生き返れないようにするという計画を考えていたのでした。
二人だけの極秘の話。と、思いきや…
存在感ゼロの松岡はこのやり取りを見ていたのでした。
一度死んでしまう計
日常から父親である計に「死ね!」「死んでしまえ!」と口にしていた七瀬でしたが、ジュリエットを服用して本当に死んでしまった計。
それを知った七瀬はとても悲しみます。
日頃暴言ばかり吐いていましたが、本音ではありませんでした。心の底では父親を好きでいたのです。
一方、死んでしまった計は幽体離脱して七瀬の事を見つめていました。自分の死を悲しむ娘を見た計は、自分にとって大切なものに気づき始めるのでした。
計を何としても蘇らせる!
計はジュリエットを服用する前に、渡部の提案で遺書を書いていました。会社の新社長を七瀬に任命する、と。
この遺言により七瀬は社長に就任。これはワトソン製薬の陰謀でした。会社の事を全く理解していない七瀬を言いくるめて、野畑製薬とワトソン製薬を合併させる狙いだったのです。
しかし、この陰謀を知るものが一人いました。存在感ゼロの松岡です。松岡はすぐに渡部と計の秘密のやり取りと、ワトソン製薬の陰謀を七瀬に説明。
二人は計を生き返らせないようにするというワトソン製薬の陰謀を阻止するべくドタバタ劇を繰り広げるのでした。
告別式をこじつけで中止にさせて、蘇生タイムリミットの2日間が訪れるまでに計の体を火葬してしまえ!というワトソン製薬と、火葬を遅らせて計を蘇らせようとする七瀬と松岡との戦いが始まりました。
蘇生に失敗。火葬される計
告別式の段取りを順調に進めていく七瀬たち。
しかし、憎き渡部が火葬を早めるよう仕向けるのでした。
このままでは戻る体が焼かれてしまうことになってしまうため、霊体の計は七瀬にある事を伝えようとします。
それは蘇生を早める方法が書かれた研究ノートの存在。
計の思いは七瀬に通じ、研究ノートを見つけた七瀬は「高電圧の電流を流せば、2日間のタイムリミットよりも早く蘇生させる事ができる」という事実を知ります。
七瀬は告別式の会場でライブを行い、松岡は計の遺体のもとに向かいます。松岡が計の体に電流を流すために思いついた方法は…
『松岡は静電気を帯びやすい体質のため、自分の静電気で計を目覚めさせようとする計画』でした。
こっそり計の遺体に忍び込んだ松岡は静電気を移すために、計にキスをします。
蘇るも合併の危機
計と七瀬は感動を分かち合い、ロミオの開発を辞めることを誓います。
しかし、渡部の反撃が始まります。現社長である七瀬の社長解任を要求するのです。
これを実現するかどうかで揉める訳ですが、決定権は最年長者に委ねられることに。ということで最年長者である田辺が決定権を持つことになり、ワトソン製薬との合併を表明します。
しかし、そこに松田翔太演じる藤井さんが現れ、「自分が最年長者だ」と口にします。
見た目はどう考えても30代。
が、実は藤井さんは、80歳。若返りする薬であるロミオの治験で30歳くらいまで若返っていたのでした。
藤井さんは七瀬・計側の人間なので、決定権を持つ藤井さんは合併を破棄。こうして合併を巡る争いは終わりを迎えるのでした。
感動のラストシーン
合併騒動は幕を閉じ、計は自分の生活を取り戻します。
一方、七瀬にはメジャーデビューのオファーが飛び込んできます。バンドをずっとやっていた七瀬にとってはとても嬉しい誘い。
しかし七瀬はメジャーデビューのオファーを断ります。
野畑製薬に入社する、と決断したからでした。
この決断に心から喜ぶ父の計は、天国にいる百合子に向けてメッセージを送信。
不思議なことに送信したメッセージには『既読』がつきました。
そして七瀬は晴れて野畑製薬に入社。
記念に計と共に写真を撮ります。するとそこには亡くなったはずの百合子も写っていました。
一方、松岡はこの物語でたくさんの事を学び、冴えない松岡から卒業しようと七瀬への告白を決意。
二人はキスをしてハッピーエンドとなるのでした。